東洋医学では、病気は体の陰陽のバランスが崩れている状態と考えます。冷え性も原因はいくつか考えられますが、体のバランスが崩れている状態や、冷え(東洋医学では寒邪といいます)が体に侵入するなど、その不調を知らせるために痛みや症状が出てくると考えています。それらの症状や、個々人の体質を元に、体のバランスが崩れる原因や状態を見極め、それを改善することで根本から冷え性を治そうとします。
冷え性にも色々なタイプがあります。@胃腸が弱く食べたものがよく吸収できないタイプ、それにより血が造れないのです。血には適当な熱がある訳ですから血そののもが少ないと冷え性になります。A血は造れるがその血がうまく巡る事が出来ない、血が滞るタイプ。このタイプは冷え性になるタイプですが上半身はのぼせが出る人が多くいます。B身体の機能が弱くなって身体全体が冷える、特に腎機能がうまく働かないタイプ。C肺や鼻の呼吸機能が弱い為に風邪を引き易い鼻水やくしゃみが多いタイプ。Dこれ等の四っのタイプをすべて持ち合わせている人、又いくつかを組み合わせて冷えを起こしている人とあります。それぞれ漢方薬での治し方が違います。相談シートよりご相談下さい。あなたに合わせた漢方薬を処方いたします。
【更年期の日本女性の五割の人が悩んでいる】冷え性が女性に多いのは、それなりのわけがあります。もともと女性の平熱は男性にくらべて0.3〜0.5度くらい低いと言われています。女性の体は筋肉が少なく、脂肪が多いという特徴があります。脂肪は熱を産生しませんが、筋肉は熱を産生してくれます。筋肉の少ない女性は冷えやすくできているのです。ホルモンの影響もあります。ホルモンのバランスがくずれると自律神経の働きが乱れて交感神経と副交感神経がうまく働かなくなります。その結果、末梢血管に血行障害が起こります。更年期になると、頭がのぼせたり顔がほてったりするのに手足は冷える、という人がよくいます。このような冷えも、ホルモンバランスがくずれたために起こる症状です。他には運動せずに食事だけを減らすといった誤ったダイエットも冷えの原因になります。 タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラルなどが不足して栄養失調から冷えが進みます。運動不足も血行が悪くなり、冷えのもとです。体を締めつける下着も血行が悪くなるので注意が必要です。西洋医学では根本的な治療方法はなく、せいぜい足腰を冷やさない為の物理療法(入浴・マッサージ・環境)などや身体を温める食事指導をするくらいです。
冷え性は陽気の不足からくるものですが、陽気とは脾胃で毎日の食事で出来るものです。それを肺の力で全身に巡ることが出来ます。その食生活習慣や、又は、もともとの体質(遺伝)により、血液そのものが不足してしまうわけです。血には陽気と言われる(熱)があるわけですが、血そのものが不足する事により全身が冷えると言う状態になるわけです。特に体表面の毛細血管を収縮させて身体の中の体温を下げないように働きますが、なかなか元に戻らない状態が続くと冷え性になります。低体温は下の表にも書きましたが恒常的に体温が低い症状を低体温症と言います。基本的には冷え性と同じと考えていますが、冷たいもの取り過ぎや、冷えるところに長い間生活していることにより、体内の臓器の温度を冷やしすぎている事が考えられます。冷え性は手足などが冷たいという自覚症状がありますが、低体温症は自覚症状がない人も多いので気が付かずに低体温症になっている人もいます。
体温が36.5度〜37.0度上の人は健康な人の体温と言われています。体内の酵素活性が盛んに行なわれています、消化酵素・代謝酵素、が正常に働く事により、消化吸収がスムーズに行なわれ、血液の産生や、脂肪代謝や糖代謝が正常に行なわれる事により、冷え性にならず、又肥満や糖尿病にもなりにくい体質になります。免疫力も上がり生体防衛反応が正常に行なわれます。つまり風邪を引きにくく、癌などの病気にもかかりにくい体質が出来るわけです。